コミラボ 子供部屋を分ける壁づくり(後編)

(取材・文:ララデザイン 写真:小宮左官提供)

子どもと左官しごと

小宮家には、自宅の裏に左官の道具が置いてある倉庫があります。
お父さんは毎日そこで、次の日の材料を計量したりサンプルを作ったり、道具を洗ったりしています。子どもたちは小さな頃からお父さんの仕事を目にし、砂の袋詰めを手伝ったり、トラックを洗車したり、自然と仕事との関わりを持ってきました。

数年前に自宅を建て替えた際にも、みんなで壁を塗る作業も経験しているので「左官の仕事は途中で止められないもの」と理解しているようで、作業を投げ出すこともなく、作業がひと段落するまでもくもくと作業を進めます。

子どもと一緒に作業をするということ

「普段自分使う空間を、自分で手入れしたり、つくったりすることで、思い入れを持って作業する楽しさや、達成感を味わってほしい」と小宮さんは話しています。

子ども部屋は親が用意してあげることが一般的ですが、「子ども自身が部屋づくりに携わることで、少しでも家が好きな空間として存在してくれたら」という思いが感じられます。その思いに気が付くのは、10年後か、20年後か、、、もしかすると、子どもたちが親になった時なのかもしれません。

いよいよ完成!それぞれの壁を、子どもの好みのパターンに。

好みはそれぞれ。決め方もそれぞれ。仕上げの作業は、2日目の夕方にスタートしました。

[ room A ] 漆喰のパターン仕上げの壁

落ち着いた雰囲気の素敵な壁に仕上がりました!
「漆喰」と「珪砂」(細かい砂)を混ぜ合わせたペースト状の材料を、コテでざざっと塗って仕上げてあります。

左官の仕事の一番の醍醐味と言っても良い、コテの使い分けや、腕の動かし方(ストローク)によってできるランダムな「コテ波」のおかげで、壁紙とは異なる自然で気持ちの良い仕上がりとなりました。

砂粒の大きさを変えたり、ストロークを変える事で、まったく違う印象に仕上げる事も出来るので、好みに合わせてつくることができる壁です。

[ room B ] 石灰クリーム磨き仕上げの壁

ピカピカに光った、一見、磨いた石のようにも見える上品な壁に仕上がりました!
下地の上に「石灰クリーム」と呼ばれる生クリーム状の石灰を塗っていき、乾く前に布や軍手でたくさんこすっていくと、だんだんとツヤのある表面に。とにかく乾くのが早いので、作業は素早く! 磨く作業は大人数で進めるのにはぴったりで、家族(と友人)総出で磨きまくりました。

光っているのに落ち着いた印象なのは、色をシンプルに石灰クリームの素材色で抑えたおかげです。

「編集後記」
受け入れて楽しむ家

忙しい中、途中でお友達も加わってワイワイと作業をした様子を楽しげに話してくれた小宮家のみなさん。普段からお家には頻繁にご親戚やお友達がたくさん遊びに来ているということですが、家族全員がそれを自然に受け入れて楽しんでいる様子なのが、お話しをお伺いしていて気持ちが良いところです。
壁も家族も友達も、ある日突然出来るものではなく、時間をかけてコミュニケーションをとりながら「作っていくもの」だという事を、小宮さんの働き方やご家族を見ていて感じます。1つの部屋を2つに分ける今回の壁づくりも、必要に迫られて仕方なくつくるものではなく、新しい家族のかたちをつくる行為として楽しんでいる様に感じました。
生活を楽しむ家や壁を作りたいとご検討中の方には、今回の記事でその楽しさや物への愛着が伝わってくれたらと思います。部屋の壁を塗り替えてみようと思い立ったら、小宮さん宅の壁を参考にするのも良いと思います。実現に向けて、良い相談相手となってくれることと思います。

(記事制作/編集 ララデザイン)

 

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