コミラボ 子供部屋を分ける壁づくり(前編)

(取材・文:ララデザイン 写真:小宮左官提供)

壁の下地づくりから、全て自分たちで。

「今回は自分の家なので、下地の大工作業から仕上げまでやりました。」という大忙しの作業開始。
今回のデザインのポイントは、壁の高さと飾り棚。
「部屋の真ん中あたりに壁を作るのですが、天井まで完全にふさぐと狭く感じるので、上の部分は開けて繋げたままにしました。材木で壁の下地を作り、飾り棚を作る部分も、子供と相談して位置と形を決めました。」ということです。

作業はまず材木をサイズ通りに切って、ねじで固定していくところから。お父さんが大活躍です。
今回は棚付きの壁を作るので、木枠も棚に合わせたロの字になっている部分がところどころに。

次に、ベースとなる木枠に「石膏ボード」と呼ばれる建築用ボードをネジで固定していきます。(一般的な住居の壁の下地に多用されている素材です。)ボードのつなぎ目にはジョイントテープを貼っていきます。このテープはメッシュ状になっている樹脂製のもので、これを貼る事で、日々の生活や地震からくる振動による表面のひび割れを防ぎます。
テープの上からコテでパテを塗って表面を平滑に慣らして処理します。ここまでの作業で、1日目の朝から夕方までかかりました。

夕方からの下地塗り。子どもも一緒に。

石膏ボードの上に、まずは下地を塗ります。使う材料は石膏です。
1度塗りだと厚さが足りないので、2度塗ります。1度目の塗り作業はボードに石膏をコテで塗りつけていく作業なのですが、普段左官仕事をしない人には、コテに材料を取ることも、塗りつける力加減も難しいので、おとうさんが大部分の作業をパパッとこなし、棚の中などの細かい部分を子どもたちがフォローしました。
子どもたちは、角を出す専用のコテの使い方をお父さんに教わりながら、棚の内側もきれいに、テキパキと作業を進めていきます。単純そうに見える「表面を平滑にする」という作業がどれだけ難しい事か。。。 コテが塗ったばかりの壁にめり込んでしまったり、一回ついた傷がなかなか直らなかったり。そんな中でも、子どたちは集中力をみせてくれて、スムーズに作業が進みました。

2度目の石膏を塗った後に、その上に行う仕上げの材料の食いつき(定着)を良くするために、ブラシで表面に細かい凸凹をつけていきます。

この作業では、子供たちが大活躍。ゴシゴシとこする作業の最中にも、壁の材料はどんどんと乾燥していくので、左官仕事はいつも時間との闘いです。
1日目はこれにて終了。材料が乾くのを待ちます。