コミラボ 階段の踊り場編 part2

ご自宅の裏にある倉庫に移動し、材料を見せて頂くことに。

お家の裏手にある倉庫です。倉庫前でサンプルを制作したり、材料を用意したりします。
(ララデザインの二人はシャッターに書かれている文字にいつもうっとり。味のあるいい文字だなあ。。。)

さて、今回使う材料を混ぜていきます。

乾くと見た目よりも色は薄くなりますので、実際に塗ってみないと色味がわかりません。
通常はテスト用の板に塗り、乾いた後の色を確認しながら材料の分量を決めます。
粘度は、土と比べると低めです。刷毛でも塗れるほどの硬さです。シャバシャバ!

壁に塗るときの主な材料、石灰や砂は、白色のものが多いので、そこに色を混ぜると、柔らかくふんわりとした色になります。
もしも、写真のような鮮やかな色を塗りたい場合は、色粉などの色材を多く使用し、白い石灰や砂は少な目にします。ただ、主に強度を担っている石灰などを少なくしてしまうと耐久性が落ちてきますので、強度を高めるためにのりを多くしたりと調合が難しくなります。
ちなみにこの写真のピンクは、画材屋さんに売っている大量の水性塗料を混ぜて作られています。水性であれば、ペンキ等も混ぜる事ができるそう。
ご参考までに。

ほぼ蛍光ピンク。下地はセメントに砂を混ぜたものなので、とても重いです。

数か月に1度しか作らないという石灰クリームを
この日は特別に作って見せてくれました!

石灰クリームとは、
生石灰(=酸化カルシウム)に水を混ぜて
化学反応(=フッ化)させることで出来る、クリーム状の石灰です。

これに砂やワラなどを混ぜて、壁に塗る材料にします。
今回は生石灰を水と混ぜる “フッ化” の作業を見せて頂きました。

かき混ぜるさじがだんだん重く感じてきます。
温度が急上昇して、グツグツと煮えたぎった感じに!
あたりは蒸気で真っ白に。

城郭、蔵といった、古くからある建物によく塗られています。
さらにワラを混ぜ熟成させて使ったり顔料を混ぜて色壁に使ったりと、漆喰塗りのベースとなる材料です。

川越でのスナップ。欄間の上部分が漆喰です。
地域によっては、灰をまぜて強度を増したり、寝かせて風合いを変えて使用している例もあります。

イタリアの伝統的な技法です。
コテを壁に押し当てながら磨く事で、大理石のようなの輝きに。壁や床に使われる技法です。複雑な色合いも特徴。

石灰クリームの壁を磨いていくと、塗ったとは思えないような光沢と奥行が生まれます。
その昔、大理石があまり採れなかったイタリアで大理石の床や壁の代わりになるように、職人が生み出した技法ということです。